遥かなる雲の向こ


この言葉を聞いて連想するのは、中国拳法の達人が、身体の中に不思議な力を溜めて、拳に纏わせるイメージがあります。
気=武術。気=エネルギー。
こういう風に連想してしまうのは、映画やアニメの影響でしょうね。
中国の山奥には達人が住んでいて、白くて長い顎髭をたくわえている。
その老人は武術の達人で、究極の奥義を極めている。
煙突のような高い山の上で、小さな小屋に住んでいて、辿り着いた者を弟子にする。
もう完璧に空想の世界に侵されている私の頭ですが、今でもどこかにそういう達人がいるんじゃないかと期待してしまいます。
ドラゴンボールでは、気はとても重要です。
かめはめ波もギャリック砲も気です。
界王拳もスーパーサイヤ人も凄まじい気を発します。
ドラゴンボールにおける気は脫癦、体内に宿る生命エネルギーといった感じでしょうか。
元気玉はたくさんの人のエネルギーを分けてもらう技です。
霊力とか魔力とかじゃなくて、誰もが持つ不思議な生命エネルギー。そういう印象を受けます。
だけどウルトラマンのスペシウム光線は、気という感じがしませんね。
でも機動武闘伝Gガンダムの石破天驚拳は気だと思います。
しかしニューガンダムのサイコフレームから放たれる不思議な光は、気ではないような感じです。
・・・・・意外と難しいですね、気の概念って。
肉体から出て来るエネルギーみたいなのは「気」
精神的な部分から来る特殊能力みたいなのは「気」ではないような気がします。
となると、やはり気とは肉体的な生命エネルギーということになると思います。
気功は気です。
気功師が手をかざすと、本当かどうかは知りませんが熱を感じるそうです。
でも神主さんやお坊さんが悪霊を祓ったとしたら、それは霊力って感じですね。
だけど霊力と気、超能力と気の境目もあやふやな感じはします。
漫画の設定だと、素手だと幽霊を殴れないけど、気を纏うと殴れたりします。
なら悪霊を倒せる「気」は霊力なのかというと、ちょっと違いますよね。
悪霊退治をする漫画の主人公は、霊力を使って退治しているはずです。
気を使える武術家が悪霊を倒すって設定はほとんど見かけません。
あったらかなり面白いと思うんですよ。
お経や儀式で悪霊を成仏させるのではなく、気を纏って殴り合う。
だけどそうなると、これはバトル漫画ですね。
ホラーからは逸脱してしまいます。
貞子を倒す為に、ひたすら肉体を鍛える主人公。
中国の山奥で達人と出会い、厳しい修行の末に気を会得する。
「待っていろ貞子・・・・・。今度は負けない!」
最強の奥義を身につけ、日本に帰って来る主人公。
そして貞子のいる井戸まで行くと、信じられない光景を目にする!
なんと宿敵貞子は、井戸の前にぐったりと倒れているではないか!
そしてその隣には、見知らぬ少女が立っている。
「また勝ってしまった・・・・。彼女なら敗北を教えてくれると思ったのに・・・・・。」
少女は凄まじい気を放ちながら、悲しそうに呟く。
「貴様・・・・・貴様が貞子を倒したのか!?」
「そうよ・・・・。手強い相手だったけど、でも勝ってしまった・・・・・。誰も私に敗北を与えてくれない・・・・。」
「名を名乗れ!」
「私はメリー・・・・。私の声を聞いた者は、必ず死が訪れるの・・・・。」
「なんだと!?」
「だって・・・・みんなこの拳の前に倒れていくんですもの・・・・・。誰も私のパワーに耐えられない・・・・。」
そう言って石のような拳を握り、気を纏わせるメリー。
「ふざけるな!貞子は俺が倒すはずだったんだ!その為に中国で修業をしてきたってのに・・・・・・許さねえ!」
主人公は激しい気を纏い、戦闘力を何倍にも膨れ上がらせる。
「そんなに敗北が知りたきゃ、この俺が教えてやる!」
「・・・・強い。あなたらなら・・・・敗北を教えてくれるかもしれない・・・・・。」
鳴らされる死闘のゴング。飛び交う二人の拳。
炎のような気と気がぶつかる最強の戦い!そこへノックアウトされた貞子も復活し、三巴の激闘へと突入していく・・・・。
果たして生き残るのは誰か?
リング特別編~拳の死闘!遥かなる雲の向こうに~
こうご期待!
・・・・・・もはやホラーじゃないですね。ジャンプのバトル漫画になってしまいました。
気って謎の部分が多いけど、少なくともホラーでは使わない方がよさそうです。
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